歌うこと

高い声を出すとき、力んでしまうのはなぜ?

「高い音になると、どうしても力が入ってしまう」

声楽のレッスンで、とてもよく聞く悩みです。

高い音を出そうとすると、喉に力を入れたり、顎を上げたり、身体を固めたり。

「もっと頑張らなくては」と思うほど、かえって声が出にくくなってしまうことがあります。

高い声は「頑張って出す声」ではありません

音が高くなると、私たちはつい「上に向かって声を出そう」とします。

けれど、声をつくっているのは喉だけではありません。

呼吸、姿勢、身体のバランス、口の中の空間、そして声帯の働き。

いろいろなものが一緒に働いて、声になります。

だから、喉だけで何とかしようとすると、必要以上の力が入りやすくなります。

大切なのは、力を加えることよりも、身体が声を出せる状態をつくること。

今までの歌い方が合わなくなることもあります

学生の頃や若い頃には、勢いで出せていた高い声。

それが、ある時から出しにくくなったと感じる方もいます。

身体はずっと同じではありません。

年齢や生活によっても変化しますし、長く歌っている人ほど、それまで身につけてきた歌い方があります。

以前うまくいっていた方法が、今の身体には合わなくなっていることもあります。

そんなときは「昔のように出さなくては」と頑張るのではなく、今の身体に合った歌い方を探し直すことも大切です。

「力を抜く」だけでは解決しない

「力まないで」
「もっとリラックスして」

そう言われても、どうすればいいのかわからないことがあります。

ただ力を抜けばよいわけではありません。

身体のどこを使い、どこを必要以上に固めているのか。

呼吸はどうなっているのか。

一人ひとり確認しながら、声が出やすい状態を探していきます。

高い声が出ないからといって、声そのものが悪いわけではありません。

自分の身体と声の関係を知っていくことで、今までより楽に歌える場所が見つかることがあります。

高い声を「出す」のではなく、自分の身体から自然に生まれる声を育てていく。

それも、声楽を学ぶ楽しさの一つだと思っています。